この前ツイッターで少し話題になったことの自分的まとめ。引用っぽいとこもあります。


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■ プレイングという多義語

MTGを強くなりたい。この願いを抱いたときに、何を意識するだろうか。
強いカードはある程度お金を出せば手に入る。この世界は漫画ではなく、現実世界であり世界で所持者が片手で数えるほどの伝説のカード等存在せず皆簡単に同じ舞台に立つ事ができる。
強いデッキは自分の手で作り上げることも可能であろう。しかし、この情報化社会少し探るだけでデッキにも様々な選択肢が提示される。そして大会の優勝者は皆オリジナルというわけではなく、あなたが使ったことのあるデッキと数枚しか変わらないことなど珍しく無い。

同じカード、同じデッキを使いながら何故差が付くのか。
この点を運と称して、投げ出さないときに用いる単語に「プレイング」がある。

この単語が表す意味は非常に多岐に渡っている。ゲーム中に行われる行動全てを指していると言っても良い。この状況ではプレイングを磨くと言ったときに、その方法論が一切見えず、ただ我武者羅に練習をする以外の解決策を与えてくれない。

そこでプレイングという言葉を少しだけ狭い言葉にすることで、自分の抱えている問題や試合後の考察への深みを増すことが可能にならないだろうか。



■ プレイングとプランニング

「実際のプレイにはプレイングとプランニングが存在する」

twitterで有名プロが呟いていた。自分が考えていたことにピタリと当てはまった。この意見を起点に話を進めていく。

N田とはMTGは頂上に登るまでに様々なルートが存在する山登りのようなものだ、という話をしたときにそれを強く意識した。そしてその中でMTGには大きく二つの能力が必要とされる、という話になった。
一つは、登るにあたってどのルートを辿る必要があるのかを決定する力。
もう一つは、決めたルートをしっかりと辿る力。

ゲームを始めるにあたり、私たちはこの山をどのルートを通って登っていくか決めている。そこから様々な障害が訪れるたびに実際に道を変えながら最速で山を登ることを意識するが、そのためにコンパスや地図等の様々な情報を駆使している。

どのように登るか、これがプランニングに当たる。これは互いに60枚のデッキを並べたときに仮決定が下される。その後、現在の状況に応じて適宜変更が加えられていく。
実際にどのように登ったか、これがプレイングに当たる。これは現在の状況に加え、プランニングが影響を及ぼし、実際の選択肢に影響を与える。

私たちがプレイングと一言でまとめていた言葉は実際には二つのレイヤーに分かれている。
つまり、本来プレイが選択されるまでのフローはこうなっている。


現在の状況と想定される相手のデッキ構成と自分のデッキ構成から、取るべきプランの更新が行われる。
その更新結果に現在の状況が新たに付加され、実際のプレイとして選択が行われている。

様々な情報が与えられて突然実際のプレイが生まれるわけではない。重要なのはプレイに先立ってプランが生成され、プレイはそこから演繹された結果に過ぎないということだろう。プレイはプランによって導かれるべきであり、プランの存在しないプレイはすべきではない。



■ プランからのプレイ

ここでプランによりプレイが変化する例示を出してみよう。勿論、極端かつ恣意的だ。


あなたの場には4/4、相手の場には3/3がいたとする。このとき相手の3/3が4/4に向かって殴ってきた。

あなたの手札に確定除去があったとする。
あなたはブロックに入り、相手が巨大化を打ち込んでも、除去でいなし1:2交換を得た。このときのブロックは恐らくプレイとしては決して間違っていない。
しかし、その結果コンバット後に出てきた1/1接死を超えることが出来ず、ぐだぐだとゲームが長引き、トップデッキ勝負に負けてしまう場合があるかもしれない。

そして、あなたは自分の引きを神に呪い、相手の引きに文句を言う。

もし仮にあそこのアタックをスルーし、1/1接死に除去を当てることが出来たら勝っていたかもしれなくても、だ。

一見何の間違いにも見えないこの行動を否定するにはプランニングが必要だ。手札のカードは「クリーチャーを破壊する」という効果を持っているが、「何のために破壊するのか」という目的は私たちが決めなければいけない。自分のライフを守るためなのか、はたまたカードアドバンテージを得るためなのか。カード全てが一つの目標に対し、一致したときそれは最大の結果を生み出すだろう。逆にこの不一致は無駄なリソースを稼ぐことにつながってしまう。

今回の例では「カードアドバンテージよりもライフアドバンテージよりも相手ライフを0にすることを目指す」というプランが存在したとき、手札の除去は1:2交換をとるカードではなく、「相手ブロッカーを排除する」という目的を手に入れる。

一見して、結果論に見えるところの背景にはプランの存在しないプレイによる無駄なリソース獲得があったのかもしれない。



■ まとめ

プレイングと言う名のブラックボックスは大きく二つのレイヤーが存在している。

プランニングとプレイング。プランニングはリソースの配分方法を決め、カードにその目的を与えること。プレイングはその判断に従い、実際のカード選択を行うこと。
試合に負けたとき、そのまずいプレイはプランに問題があったのか、実際のプレイに問題があったのかを切り分けることは成長するための思考としては有意義かと思われる。


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やっぱり重要なのは行動に意味を与える行為だなぁ、と思ったり。

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