http://mtg-jp.com/reading/translated/rc/004025/

「ゼロからのデッキ構築」

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昨年度の記事で、そのときも読みました。今改めて読んでも良いこと書いてあるな、と思いました。僕は割とサイドボードは苦手です、デッキを作る段階でそこまでを想定して作っていないせいです。デッキを作り、その場その場に合わせて色々なカードを雰囲気で突っ込むことも多く、会場で回しながら違和感を覚え修正するような場当たりなやり方となっています。(そういうことが気軽に出来るMOはメリットも大きいですね)。

今回の話は何が強い、何が弱いではなく、そもそも自分の考えるサイドボードの意味や効果を含めてプレイングの話が出来たらな、と思っています。


サイドボード後とメインボード時ではデッキが異なり、プレイの方針も大きく異なる場合がある、という認識を持つことは強くなる上で必要なことだと感じております。これはストームがサイド後双子になるというアグレッシブサイドという形だけではなく、どんなデッキもおおかれ少なかれ起こっています。
実際サイドボードは弱いカードが効果的なカードに変わるという変化だけではなく、相手との相互作用に依拠するプレイングという面にも大きな影響を与えていることは想像に難くないと思います。


以前書いたことがありますが、マジックのプレイングとは場面に応じた最適解を見つけ出すことではなく、プレイの大きな方針を明確に持ち続けることだと考えています。大局観と言われることもありますね。

では、このプレイの方針というのは具体的にどう持てば良いのか。そもそもビートダウンの至上命題は相手のライフを最速で削りきることであり、その目的に向かって最善の選択肢を取ることは大局観とは無縁の、正に解を求める行為に他ならないのでは、という考えが浮かびます。しかし多くの場合この考えは間違いです。

本当に良いビートダウンというのはサイドボードまで含めると、コントロールに回ることが可能である必要があります。多くの人が行っている「ビート対策に除去を入れる」。この除去を入れるという行為はコントロールと振舞うための手段であり、意識的にもしくは無意識的に多くの人が行っていることではあります。
では、何故コントロールとして振舞える必要があるのか、その理由は三つあります。

一つはMTGでは同型が必ず発生し、そして必ず先手で始めることが出来るわけではないからです。同型で後手の場合互いが同じカードを引くと仮定すると、後手は絶対に勝つことが出来ません。だからこそ、コントロールとして振舞う、つまり相手の攻撃を受けきる必要があります。

もう一つは単純にそちらの方が勝ちやすいからと言うのがあります。
一般的に相手のデッキより僅かに重い構成の方が勝ちやすいと言われています。ブリッツにナヤミドルが強く、それにトリコフラッシュが強いという構図は何となく理解しやすいのではないかと思います。これはデッキの種類ごとの相性だけではなく、構成でも同じことが言えます。
つまりほぼ同速のデッキと対戦する場合は軽い序盤にしか役立たないカードを重いカードと交換可能な除去や、実際に重いカードと入れ替えることで有利に立ち振る舞えます。


三つ目は対戦相手のサイドボードを避けることが可能なこと。
2/2の群れの高速ビートダウンへの良い回答は火柱などの軽い除去です。そこでサイドボードとしてその手のカードが入れられることは想像に難くありません。そこに新たな2/2をサイドから投入し無理やり突破するよりは3/3という火柱の効かないクリーチャーで殴ることを目指したほうがより簡単に勝利に近づけるでしょう。


メインボードでアドバンテージを取る手段が無いにも関わらずコントロールに回ることが可能なのか?という疑問が浮かぶ場合があると思います。
しかし、実際にアドバンテージを取れる必要はありません。現在MTGのカードは非常に良く調整されており、カードの効果とマナコストは比例関係にあります。4マナのカードは2マナ2枚分の効果を発揮出来るということです。

つまりサイド後2マナのカードを4マナに入れ替えることはアドバンテージ源を入れるのと似たような効果を発揮します。こうして枚数的なアドバンテージは取れずとも質的なアドバンテージを得ることが可能となります。


まとめると、「軽いカードを抜き、重いカードを入れる」「除去を入れる」概ねこれだけでも一直線なビートダウンデッキにコントロール要素を含めることが可能です。特に今のカードは非常に強いですからね。

例えば「ボロスの反抗者」や「復活の声」等のビートダウンに入れることが可能でありながら、受けに回るときにも良い性能を発揮するクリーチャーの評価が高いのはビートダウンに「相手の攻撃を受ける」という新たな選択肢を提供してくれることが評価されているためです。


そして合わせて語らねばならないのはそれに伴うプレイの変化です。

どれだけデッキが変化しても、使う側の意識が伴わないといけません。
そこでこれは人から教わった言葉で、自分自身心がけていることなのですが、
「自分がビートダウン・コントロールどちらに属すのかを認識すること」だと考えています。

赤緑は早いビートダウンの代表です。それがサイド後トリコ相手にアドバンテージ勝負を挑むのは無謀です。それは相手には長引けば長引く程有利である啓示が入っているから。しかし、ブリッツ相手にはどうでしょうか。2/2解鎖を1t目に出しゴーア族でスピード勝負を挑むより、相手の教区の勇者と殴りあうより、教区の勇者を火柱し、2/2は相打ちに持ち込み、3/3に槍を打ちながらゴーア族を着地させた方が勝ちやすいでしょう。これがコントロールとして振舞えるデッキの強みだと考えています。


もしサイドボード後自分がコントロールであるという認識を持ったなら、メインボードでは相手ライフを最速で削りきることは目的ではなくなり、先ほどデッキに増やした重いカードが活躍できるための盤面を作り上げることが目的となります。絡み根の霊は速攻を持つ除去に強いクリーチャーではなく、二度のブロックが可能であり、2/2,3/3と相打つことでゲームを停滞させるクリーチャーに変化し、反抗者は本体に叩き込むブロックされにくいクリーチャーではなく、どんな大きな生物とでも相打ちが取れるクリーチャーとなります。


サイドボードとメインボードで異なったゲームプランを持つことは勝率を安定させる一つの手段になりうると思います。

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